Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





IA




「それに、そんなこと承知できません。みのりさんたちは

当事者じゃないですか!」

(涼介……)


 苦手だと言っていた相手を前に、自分を守ろうとしてくれる。

それがこんなにも心強く感じるなんて思わなかった。


(ううん。今だけじゃないわ。涼介はいつも私を守ってくれてた……)


 みのりは目の前にある涼介の背中を見つめる。碧たちと別行動

することになったとき、銃を突きつけられたとき。そして今も。

ことあるごとに彼は自分を守ってくれていた。


(本当。人がよすぎるわよ)


 好きでもない人間に対し、これほど一生懸命になれる人は

そうそういないだろう。涼介の優しさに触れ、みのりは泣きそうに

なる。零れ落ちそうな涙をまばたきで誤魔化していると、市長の

空々しい声がスピーカーから流れてきた。


『みのり様は今修行中なんだとか。こんな下々のところへ来ている

わけがないじゃないか。それとも証明できるものでもあるのかな?』

「何を訳のわからないことを!」


 涼介が吐き捨てるように言い放つ。みのりは眉間に皺を寄せた。










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