Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
IH
涼介が碧を連れ出してからどのくらいの時間が経っただろう。
(まったく街灯があるとはいえ、こんな真っ暗なところいつまで
待たせる気なのかしら)
しかも、梅田のみと雪姫はとうに帰ってしまった。今ここには
自分と紅しかいない。みのりはなかなか戻ってこない男2人を、
イライラしながら、彼らがいるであろう場所を見据えた。
(あ、やっと終わったみたいね)
碧が満悦そうな笑みを顔に張りつけて歩いてくる。その後ろから
涼介が慌てた様子で駆けてきた。
「ちょっといつまでしゃべっているのよ! 雪姫と梅田のみだって
とっくに行っちゃったんだからね!」
「申し訳ありませんでしたお嬢様。とても重要な話をしていた
ものですから」
みのりが腰へ手をあて、文句をぶつける。しかし碧はニコニコと、
まったく反省の色を見せない。みのりは顔をしかめ、諌めようと
した。だがそれよりも彼の言葉の方が気になり、思いとどまる。
(でもどうせ碧に聞いたってはぐらかされるだけよね)
みのりは、標的を碧から涼介へ移した。
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