Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
FIH
「ずいぶんと、捻じ曲げられていたのですねー」
「そうですねぇー」
珍しく感慨深げな碧の言葉に涼介は同意する。
まさか雪姫の本願が獣人たちと手を取り合うことにあったとは
思いもよらなかった。
しきりに頷いている斜め反対側で、みのりが憤慨したような声をあげる。
「捻じ曲げられたどころの話じゃないわよ。全然、違うじゃない」
よほど憤っているのだろう。無理もない。
「うん。確かに……」
みのりを見つめ力強く首肯すると、紅がまたぽつりと
言葉をこぼした。
「共存」
「うん。共存だよ」
飛田も肯定する。
紅へ微笑みかけると、紅も目尻を和らげ飛田へ首を縦に振ってみせた。
(やっぱり獣人同士だからかな。ずいぶんわかり合ってる感じだけど……)
碧さんが気にしてないといいけど。
などとこっそり思っていると、みのりが右手を立てる仕草をした。
「ちょっと待って。
今、飛田さんは山波さんが雪姫の願いを三長老からお聞きしたと言いましたよね?」
「はい。そうです」
みのりの問いかけに飛田が頷く。
飛田の返答に対し、みのりは眉間の皺を深くした。
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