Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「致し方ないだろう……時代ってものもあるんだ」


 視線を明後日のほうへ向け、山波が話を畳んでくる。

涼介は少し迷った後、おもむろに口火を切った。


「……あの、俺の知り合いに山波さんと似たような考えをお持ちの方がいるんです」


 今太一の祖母のことを語って、彼の心が動いてくれるかはわからない。

だが、彼女のような人もいるのだということ、

そして、その気持ちを解きほぐそうと頑張る子供がいることを

知って欲しかった。


「そりゃそうだろう。当たり前だ」


 山波が深く頭を縦に振る。


「ほう。どのような方なのですか?」


 碧が話の水を向けてくれるのに勇気づけられ、涼介は言葉を紡いだ。


「その方は、ある事情があって獣人のことをとても憎んでいます。

たぶん今も……。でも……」

「でも?」

 どう言ったらいいのかわからず一瞬言葉を詰まらせると、

みのりが話を促してくれる。


「でも、自分の孫のために自分の憎しみと闘ってくれると。

彼女は大切な孫を俺に預けてくれました。

人は、変われるし、わかり合えるんですよ、山波さん」


 思いの丈を込めて山波を見やると、山波は目を閉ざし黙ったまま腕を組んだ。










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