Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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 規則正しい秒針の音だけが室内に響く。

 涼介の話が心に響いたのだろうか。山波は何かを考えるように

腕を組んだまま口をつぐむ。そして地蔵のように動かなくなった。


「山波さんは先ほど、雪姫様を慕う獣人の方々は別だとおっしゃい

ましたよね?」


 山波の考えがまとまるまで待とうとも思ったが、みのりは我慢

できず話しかける。閉じていた瞼がゆっくりと開き、眉間に皺を

寄せる山波と目が合った。


「言ったな」


 しゃがれた声で肯定する山波に、心の内でほくそ笑む。

これで言質は取った。みのりは身を乗り出し、彼へ詰め寄る。


「それなら獣人の皆さんがすべて雪姫様を慕っている場合はどう

なるんですか? 山波さんの言い分だとすべての獣人が別という

ことになりますよね」

「そ、それは、そう……です……が……」


 見るからに落ち着きがなくなった山波に、紅が追い打ちをかけた。


「時代、関係ない」

「さすが僕の紅だ。よいことを言う」


 碧が我が事のように胸を張り、義妹を絶賛する。それに追従する

ように涼介が続いた。










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