Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「それは高松さんのご経験からの言葉ですか?」

「まあね」


 あまり多くを語りたくないのかもしれない。高松は言葉みじかに

首肯すると、それ以上何も言わなかった。

市長がそれを見計らっていたかのように入ってくる。


「そんなことより、みのり様。山波さんになんと言ったんですか。

みのり様は一族の長となるお方。人間代表として、山波さんの

忠告を受け入れるべき人間ではないですか」

「な! 勝手にそんなこと決めるなって言ってるだろう!」


 涼介が怒りをあらわに怒鳴る。


(人が自分以上に慌てると冷静になれるって本当なのね……)


 自分の代わりに怒ってくれる相手がいるだけで、こんなにも

救われる気分になるとは思わなかった。

みのりは、市長を言い負かすために、彼が先ほど使った言葉を

借りることにした。


「涼介の言う通りです。これは黄金梅の種を咲かせた我々の

問題ですからあなたに話すつもりはありません」


 きっぱり言い切ったあと、市長は何も言えず黙り込む。

涼介が深く息を吐いた音だけがリビングに広がった。










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