Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「付き合ってる?! 俺はまだ誰とも付き合ってないぞ?

そもそも俺は君に告白してるわけで……って、もしかして遠回しに

断られてるのか、な?

紅さんとくっついてくれたら碧さんともっと仲良くなれるのに、

的なこと?」


 話が噛みあっていないような気がする。今度は碧の名前まで

出てきた。みのりは数回瞬きを繰り返す。


「碧? そりゃあ私だって碧と紅のことを応援してたわよ。

でも涼介と紅が両想いなら仕方ないじゃない?」


 もしかしたら涼介は、碧から紅を取ってしまったことを

悔やんでいるのかもしれない。


(碧のことをかなり心酔してたみたいだし、そりゃあやっぱり

気になっちゃうわよね)


 だが、市長に立ち向かうことができた彼なら大丈夫だ。

みのりは涼介を励ます。


「碧だって今は祝福できないかもしれないけど月日が経てば

いずれ……」


 祝福してくれるわ、と続けようとした言葉を、みのりは最後まで

言い切ることができなかった。その言葉は、自分自身がまだ2人に

伝えられていないものだからだ。みのりはじわりと滲み出した涙を

必死でとどめながら、下を向いた。










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