Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「獣人との共存か……」


　帰り道、飛田の車内から何気なく黄梅の街並みを眺め、

善郎は呟いた。


（俺が間違っているの……か……？）


　わからない。

第一間違っていると今まで指摘されたこともなかった。


（俺はただ家族と友人たちのいるこの黄梅が好きなだけだ。

それを守ろうとして何が悪い）


　だが、と善郎は横で運転している飛田を盗み見る。


（芽衣子が選んだ男……）


　彼は鹿の獣人だ。

興奮すると角を振り回し危ないことこの上ないが、

それでも誠実なヤツであることは骨身に沁みている。


（だからと言ってなあ……）


　獣人と人間が一緒に生活していくことの困難さを思うと、頭が痛い。


（苦労するのは目に見えてるじゃねえか）


おそらく食べ物も違う。

もしかしたら寿命だって違うかもしれない。

そんな生活に若い２人が耐えていけるのだろうか。

生まれてくる子供だって、いじめを受ける可能性が大いにあるのだ。

やはり現当主の梅宮美都子女史が言う通り、

完全に住み分けをする必要があるのではないかと思えてならない。


「大丈夫ですか？」


　親指の爪を噛んでいると、飛田が心配げに尋ねてきた。