Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「そうか。リオって夜行性なんだ！　

じゃあ、星とかもよく見えたりするの？」


　期待を込めた眼差しをリオへ向ける太一を眺めながら、

善郎はくすくすと肩を揺らす。

「ちみっちゃいガキが何ナマ抜かしてやがる。


邦夫さんの孫ならもっと威厳を持て威厳を」


　芽衣子が聞いたら烈火の如く怒るだろう軽口を叩くと、

案の定リオの目が怒りに燃え上がった。


「なっ！」


　わなわなと唇を震わせる獣人の少年を前に、

善郎はやりすぎたかと反省する。

だが、素直に謝ろうと口を開きかけた時、太一が先に問いかけてきた。


「おじちゃん、ナマって何？　抜かすってことは背のこと？

まだリオはちっちゃいもんねー。

ムササビになったときも掌に乗るくらいだったんだよー」


　まずい。こんな言葉を小学生が知るべきではない。

今更口に出してしまったことを撤回できるわけもなく、困り果てる。


「あーすまん。いい言葉じゃなかった。お前さん方は覚えなくていいぞ」


　頭を掻いて詫びると、太一が元気よく頷いた。