Gold Plum
第六章
対峙
~善郎&太一の場合~
四
ⅷⅹⅳ
「自分のせいでじぃちゃんを死なせちゃっったって言ってたよ。
それでね今でもじぃちゃんは友達なんだって」
太一が明るいが必死にも見える面で祖母に語る。
「……そう」
太一の祖母が緩く頷くのを待ってから、善郎は声をかけた。
「それでは、失礼いたします。またな、太一君」
太一へ向かい手を挙げると、太一の視線がこちらへ移った。
「うん。
おじちゃん、今日は送ってくれてありがとうございました。またね」
「ああ」
手を振る太一に短く答えると、太一の祖母が一礼してくる。
「山波さん、孫を送り届けていただきありがとうございました」
彼女は今何を思っているのだろう。
一瞬尋ねようか迷った後、結局善郎は言葉を呑み込んだ。
「失礼いたします」
別れの挨拶とともに目礼し、玄関をでる。
「さ、太一はママのお説教よ」
「えー!」
後ろ手に二人の会話が聞こえてきて、くすりと肩を揺らした。
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