Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


�G�I�D

（結構しっかりしてると思っていたが、やっぱりまだ小学生だな）


　あれだけ自分の主張を頑固に説いていた時とは大違いである。


「当然でしょう。さっき昨日買ったゲームを取り上げるわって言っていたわよ」


　祖母の声に太一が絶叫する。


「そ、そんなー！　それだけはダメ！

まだカケルに『すごタロ』見せてないんだよ！」


　聞き慣れぬゲーム名に首をかしげつつ、車のドアを開けると、

太一の祖母の呆れたような声が耳に届いた。


「私に言っても仕方ないでしょう。心配させた太一が悪いんだから」


　孫ができたら自分もこんな会話をするようになるのだろうか。

まだ見ぬ孫のことを意識して、苦笑する。


（俺、反対してるんだったよな）


　飛田の顔を想いだし、吐息する。


（まあ、いい奴ではあるからなあ）


　そもそも娘が選んだ人間なのだから、そんなに悪い奴では

ないのかもしれない。


（完全に巻き込んじまったしなあ……）


　エンジンをかけながら内心でぼやき、ゆっくりとアクセルを踏んだ。