Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





C




(先生が気づいちゃうくらい不安な顔をしているのかしら?)


 みのりは焦った。

小越が分かるなら、美都子だって感じ取っているはずだ。

手が震え出す。みのりはそれを握り締めることで誤魔化した。


(は、早くお母様に何か言わなきゃ)


 突き放すような美都子の目線に耐え切られなくなる前に。

だが、唇はぴったりとくっついたまま離れない。


(やっぱり私にはできないの?)


 みのりが怖気づいている間にも、野木崎たちの会話は続く。


「心配だけど、見守ることしかできないんじゃないかしら?」

「そうですね……」

「みのり様なら大丈夫だよ。

だってお兄ちゃんが隣にいるんだもの」

「ふむ。そうだな。彼も踏ん張りどころだな」


 太一と山波の言葉にみのりはハッとした。


(そうよ。私には涼介っていう味方がいるんだもの)


 彼だけではない。太一や小越、野木崎に山波たちだっている。

碧と紅だって自分の味方だ。恐がる必要なんてどこにもない。

萎れかけていた勇気が再び湧いてくる。

 ふいに雪姫のあっけらかんとした声が聞こえてきた。










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