Gold Plum

第六章


対峙


〜みのり＆涼介の場合〜


六


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「離れてください、小越先生！　その場所は高松さんのものです！」


　横澤の剣幕に、小越は負けなかった。


「嫌です！」

「長！」


　横澤が叫びにも似た声音で満を見つめる。

だが、満にその声が響くことはなかったようだ。

「おい！　麻里に近づくな！　あと俺にはすでに鴉生やお前らがいる。


これ以上男が増えるのは嫌だ！　しかも人間の男なんて」


　必死で小越を庇い横澤を牽制する満に、横澤の訴えは続いた。


「高松さんのことを知れば長だってわかってくれるはずです！

長！　小越さんから離れてください！」


　ぐいぐいと満の手を押す横澤に満が眉間の皺を深くした。


「離れるわけねーだろう。やっと決心したんだ。

それに、あいつは信用できねー。こっちのおっさんの方がまだ信じられる」


　満が唐突に山波をあごで指し示す。するとそれまで黙っていた山波が口を開いた。


「そうだ！　みのり様を襲おうとする輩なんかより俺のほうがましだぞ」


　少し話がズレているような気もするが。

なんにせよ、山波が変わってくれたことは素直に嬉しい。

自分たちの思いを横澤は分かってくれるだろうか。

涼介は期待を込めて成り行きを見守った。