Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
C
「愛情を一身に? それはなんの冗談かしら?
梅宮の土地に住み着き、立派に育った人間であるあなたにこそ
相応しい言葉ではなくって?
あぁ、立派に、は語弊があったわね。
立派に育っていたら、こんなバカげたことはしていないでしょうしね」
まったくだ、と涼介は内心で頷く。
たとえどんな因縁があろうとも、
姪であるみのりを手にかけようとする理由にはならない。
(俺なら由真にそんなことしない!)
長兄には色々されてきたが、それを姪である由真にぶつけるなんて。
そんなこと、露とも思わない。
あんなにも可愛い存在を傷つけようとするなんて、どうしたって間違っている。
だが、今それを高松に話して聞かせたところで納得してはくれないだろう。
(どうしたものかな……)
悩む間にも、高松がじりじりと美都子との距離を詰めていく。
美都子も負けじと自分たちの前に立ちはだかった。
こんな無理な体勢のまま、女性の身でどこまで保てるだろうか。
危惧する間にも、2人の言い合いは続いた。
「住まわせてくれなどと誰が言った! 俺たちは母子2人でよかった。
十分幸せだったんだよ! なのに何故囲い者にした!」
囲い者? そんな話は聞いたことがない。
急いでみのりへ視線を向けると、みのりも激しくかぶりを振った。
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