Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「そう何度も雪姫様に踊っていただくなど。あなた方は安易に

考えすぎではないですか?」


 最もな言い分にぐうの音もでない。


(駄目か……)


 もっと自分が注意しておけば。

涼介は唇を噛み締める。


「お願いします! 雪姫様!」



「色々と想定外のことが起きてしまったのよ。

のみさんたちだって見ていたから知ってるでしょう」

「そ、そうですよ! 律子さんの言う通りです!」


 野木崎の言葉に小越が深く同意する。

息を巻く勢いの小越を見て、みのりが一歩前へ踏み出した。


「のみさん。何度も雪姫に踊ってもらうことは申し訳ないと思っています。

でも、一度で上手くいっていたらみんなとも、お母様や高松さんとも

対話できなかったと思います」


 その通りだ、と涼介は深く頷く。

どうか2人にみのりの想いをわかってもらいたい。

その一念のみで涼介も一歩前へ踏み出した。










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