Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
IG
「あ、本当だ。こぼさないように気をつけてたんだけどなぁ」
悔しげな声に涼介はくすりとなる。
太一は本当に今時珍しいほどに素直な良い子だ。
「飛田君。もう一回雪姫様が踊るらしいわよ!」
「うん。よかったね。芽衣子ちゃん」
芽衣子と飛田がうっとりと寄り添い合う。
飛田は雪姫が見えないはずなのに、
芽衣子の望みを自分のことのように喜んでいた。
(恋人ってそんなもんなのか?)
それともただ単に2人が特別なのか。
もしみのりが涼介の告白にOKしてくれたなら、自分もそうなるのだろうか。
想像してみようとした時、みのりの声が聞こえてきた。
「雪姫。見ていたからわかってると思うけど、
もう一度踊ってもらうことはできないかしら?」
みのりの提案に、涼介も加勢する。
「よろしくお願いします」
雪姫へ頭をさげると、雪姫がどこか楽しむような声音で思案しだした。
「そうマロねー」
小さく唸る雪姫に、太一も頭をさげる。
「雪姫様、お願いします」
「雪姫様! どうか!」
山波も加わった時、黙っていたのみが口を開いた。
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