Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「あ、本当だ。こぼさないように気をつけてたんだけどなぁ」


 悔しげな声に涼介はくすりとなる。

太一は本当に今時珍しいほどに素直な良い子だ。


「飛田君。もう一回雪姫様が踊るらしいわよ!」

「うん。よかったね。芽衣子ちゃん」


 芽衣子と飛田がうっとりと寄り添い合う。

飛田は雪姫が見えないはずなのに、

芽衣子の望みを自分のことのように喜んでいた。


(恋人ってそんなもんなのか?)


 それともただ単に2人が特別なのか。

もしみのりが涼介の告白にOKしてくれたなら、自分もそうなるのだろうか。

想像してみようとした時、みのりの声が聞こえてきた。


「雪姫。見ていたからわかってると思うけど、

もう一度踊ってもらうことはできないかしら?」


 みのりの提案に、涼介も加勢する。


「よろしくお願いします」


 雪姫へ頭をさげると、雪姫がどこか楽しむような声音で思案しだした。


「そうマロねー」


 小さく唸る雪姫に、太一も頭をさげる。


「雪姫様、お願いします」

「雪姫様! どうか!」


 山波も加わった時、黙っていたのみが口を開いた。










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