Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
BI@
「私も皆さんにお会いできて本当に良かったです」
みのりは心の底からの感謝を込め、微笑んだ。
太一の元気な返事が、いの一番に飛び込んでくる。
「うん。ねえ、みのり様。
早く『みんなが幸せになりますように』って願って黄金梅を
咲かせようよ」
「そうね。それでは皆さんもよろしくお願いします」
待ちきれないと言わんばかりの太一の提案にみのりも同意し、
周囲を見渡した。
「ああ」
首肯した涼介と視線を交わし、微笑み合う。
そして、『みんなが幸せになりますように』という願いと共に
果汁を一気に飲み干した。
口の中に残っている梅の甘酸っぱさを味わいながらみのりは
閉じていた瞼を開く。
さっき雪姫と一緒に舞った場所を見つめる。
次の瞬間、平らだった地面が盛り上がり、小さな芽がひょっこりと
顔を出した。
「わぁ! 携帯出さなきゃ!」
太一が慌てた様子でリュックから携帯を取り出す。
その間にも、芽はどんどんと大きく、そして太くなり
苗木へと育っていった。
「もう、若木なんて普通じゃ考えられない成長速度よね」
「ですね」
感嘆の声をあげる野木崎に小越が静かに頷いた。
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