Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「麻里さんが告白する分にはそんなこと思わないと思うわ。

むしろ喜ぶんじゃないかしら？」

「なんでそんなに確信持ってらっしゃるんですか？　律子さんは」


　麻里の背中を押そうとした言葉は、まったく効果がなかったようだ。

それどころか逆に猜疑心を与えてしまったらしい。

訝しげに見てくる彼女に、律子は内心で苦笑した。


「満君の麻里さんに対する行動を見ていたら誰だってそう思うわよ。

獣人と人間のカップルってここでは肩身が狭い思いをしちゃうけど、

応援するわ。だから満君を想う気持ちを諦めないで」


　嘘偽りのない気持ちなのだが、当たり障りのない言い訳に聞こえて

しまったのだろうか。麻里が考え込むように黙り込んでしまった。


（急ぎすぎちゃったのが不味かったのかしら？

あー、もっと麻里さんのペースを考えてあげた方が良かったのかも！）


　反省点を脳裏に浮かべながら律子は、

彼女の返事をドキドキしながら待つ。

すっかり冷めきってしまった紅茶に手をかけようとした時、

横で麻里が小さく首肯した。