Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「……はい。でも、私本当にどうしたらいいのか……。

どうやって想い続けていけばいいのか。自信がないんです」


　麻里が捨てられた仔犬のような眼差しを向けてくる。

律子はニコリと微笑んだ。


「大丈夫よ。二人は相思相愛だもの」


　いくら他人から応援されても不安なものは不安なのだろう。

肩をしょんぼりと落としている。それを見て律子は、

太一の母親である一美にすら話したことのない、

とっておきの話をすることにした。


「あのね、周囲の人にはあまり言っていないのだけど、

私のお義姉さん、主人のお姉さんのことなんだけど。

彼女の旦那さんは獣人なのよ」

「じゃ、じゃあ、律子さんのお義姉さんとその旦那様は

恋愛結婚なんですか？！」


　萎んでいた花が太陽の光を浴びて花開くように、麻里の顔に

笑みが広がる。思い切って話して良かった。律子は安堵した。


「そうよ。今でもラブラブなの」


　だから麻里さんも大丈夫よ。そう続ける前に、麻里が目を

ぎらつかせ詰め寄ってきた。


「ど、どこでどうやって出会ったんでしょうか？！

あと、告白とか！　その、で、デートとかはどこで？！」

「え、え、え、ちょ、ちょっと麻里さん落ち着いて」


　あまりの豹変ぶりに目を見張る。

律子は猛進してこようとする麻里を必死で宥めた。