Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





B




「うちの女性陣の期待に応えないと後々怖いもので、

ちょっとお顔を拝見させていただこうと思ったんですよ」

「はぁ?」


 つまり偶然ではなく、わざわざついてきたということなの

だろうか。みのりが首をひねると、涼介が割って入ってきた。


「やっぱりそういうことかよ!

早く郵便局に行ってください。雅仲兄」

「いくら初デートだからといって、独り占めは良くないぞ、涼介」

「雅仲兄!」


 雅仲のからかいに、涼介が顔を真っ赤にして怒鳴った。


(これも黄金梅の恩恵なのかしら)


 以前の彼らは、軽口を叩いていてもどこか刺々しい空気を醸し

出していた。それが今はまったく違う。


(私とお兄様もはたからみたらこんな感じなのかしら?)


 みのりは感慨深く梅畑兄弟を眺めながら、出かける際に交わした

兄との会話を思い浮かべた。


「あ! そうだわ。雅仲さん。

あの、兄から今日集まろうという言伝を預かりまして」


 せっかくじゃれ合っている兄弟の仲を裂くのもどうかと思い

ながらも、雅仲へ話しかける。

すると、満悦そうに涼介をからかっていた雅仲の瞳が輝いた。










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