Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
B
「うちの女性陣の期待に応えないと後々怖いもので、
ちょっとお顔を拝見させていただこうと思ったんですよ」
「はぁ?」
つまり偶然ではなく、わざわざついてきたということなの
だろうか。みのりが首をひねると、涼介が割って入ってきた。
「やっぱりそういうことかよ!
早く郵便局に行ってください。雅仲兄」
「いくら初デートだからといって、独り占めは良くないぞ、涼介」
「雅仲兄!」
雅仲のからかいに、涼介が顔を真っ赤にして怒鳴った。
(これも黄金梅の恩恵なのかしら)
以前の彼らは、軽口を叩いていてもどこか刺々しい空気を醸し
出していた。それが今はまったく違う。
(私とお兄様もはたからみたらこんな感じなのかしら?)
みのりは感慨深く梅畑兄弟を眺めながら、出かける際に交わした
兄との会話を思い浮かべた。
「あ! そうだわ。雅仲さん。
あの、兄から今日集まろうという言伝を預かりまして」
せっかくじゃれ合っている兄弟の仲を裂くのもどうかと思い
ながらも、雅仲へ話しかける。
すると、満悦そうに涼介をからかっていた雅仲の瞳が輝いた。
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