■ ジュピター

  ジュピター(木星)は、グスタフ・ホルストの組曲「惑星」の中の1つです。私は、特に「木星」に限らず、この組曲、昔からなじみがあります。クラシックはそんなに聴いてないですが、家にも、ベルリン・フィル(指揮:カラヤン)のCDが1枚あります。もっとも、富田勲のシンセサイザーバージョンを先に聴いたかもしれません。ジュピターは本来、歌のための曲ではありませんが、美奈子さんの歌を初めて聴いたときはとても新鮮に感じました。後に、平原綾香さんが歌って有名になりましたが、美奈子さんの前にも、歌にしていた人はいます。
 今まで聴いた中で印象に残っているものを並べてみます。


◆ AVE MARIA収録バージョン
 
  初めて美奈子さんのジュピターを聴いたのは、やはり、AVE MARIAの収録バージョンです。このバージョンは、編曲がエレキギター、ドラムス、キーボードといったいわゆるクラシックではあまり使われない楽器で構成されています。歌い方もソプラノボイスには違いありませんが、あまり高音は使っていません。中音域からやや高めという音域まで、一音一音じっくり延ばしながら、だんだん盛り上げていきます。

  この歌は、ごく自然に心地よく耳に入ってきますが、普通のソプラノ歌手の声とは明らかに異なります。しかし、ポップス系の歌手でもジャズ系の歌手でもこんな歌い方する人はいません。普通に歌っていますが、それまで誰も聴いたことがないような歌い方でした。ジュピターだけでなく、美奈子クラシック全体に言えることですが、初めて聴いたときはとても新鮮でした。

 この歌については、細かい部分の正確さより、全体的な「ノリ」の方が重要で、観客を「のせる」ということが重要なのでしょう。変な話ですが、むしろ、「アイドル歌手の歌」に近いのでしょうか。

  この歌を歌うとき、美奈子さんは、いつも、観客に手拍子を求めていました。皆でハッピーになりましょうという感じなのでしょう。