■原作

  ミュージカル「レ・ミゼラブル」の原作は、フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーが、1862年に書いた小説 Les Miserablesです。日本では、明治時代に「ああ無情」という題名の翻案小説として紹介されました。今でも、この題名のジュブナイル版が出版されています。

  一般向けの翻訳もいくつか出ています。ずっと以前に読んだことがあるのですが、2年前の公演(美奈子ファンティーヌの時)を期に読み返したのが、下記の新潮文庫版です。

  何と、文庫本5冊です。これ、普通の小説の感覚で読むととても読みづらいです。レ・ミゼラブルは、主人公のジャン・バルジャンとその周りの人々によってストーリーが進むのですが、本筋とほとんど関係ないか、もしくは、全く関係ない話がやたらと続きます。バルジャンがマリウスを連れて、パリの地下道を逃げる場面があるのですが、丸々一章、パリの地下道についての話があったりします。

  ストーリーを知るだけなら、ジュブナイル版や漫画版、あるいは映画版でも良いでしょう。しかし、小説版を読んでみると、ミュージカル版が、結構原作に忠実であることが分かります。