レ・ミゼラブルというミュージカル

 Les Miserablesは、フランスの文豪ビクトルー・ユゴーの小説が原作のミュージカルです。日本語版のレ・ミゼラブルは、いろいろな出版社から、日本語訳が出ています。私の手元に、新潮文庫版がありますが、5分冊になってます。少年少女世界名作シリーズ等で、「ああ無情」という題名で、抄訳版が出ていたはずです。

 レ・ミゼラブルは、フランス革命勃発(1868年)後、しばらくした時点での、学生達が起こした自由への戦いが背景になっています。

 ミュージカルのレ・ミゼラブルは、ロンドン産ミュージカルの一つで、キャメロン・マッキントッシュのプロデュース、アラン・ブーブリル及びクロード・ミシェル・シェーンベルグ作です。同じメンバーで、後にミス・サイゴンが制作されます。英語版のミュージカルは、フランス語版のミュージカルをベースに作り上げたもので、ロンドン初演は1989年9月20日です。その後、ブロードウェイを初め、世界各国で上演されてきました。ロンドンでは今でもロングランを続けています。東京初演は、1987年6月17日です。

 レ・ミゼラブルの出演者の多くは、ミス・サイゴンと同様、オーディションで決められました。初演時の主な出演者は、鹿賀丈史/滝田栄(バルジャン、ジャベール)、岩崎宏美(ファンティーヌ)、マリウス(野口五郎)、コゼット(鈴木ほのか)等ですが、一番話題になったのは、コゼット役の斎藤由貴だったように記憶しています。エポニーヌ役の島田歌穂は、その当時は、ミュージカル女優としてはほとんど無名でした。

 レ・ミュージカルは、ミュージカルの中でも、科白のほとんどが歌からなる、いわゆるオペラ形式のミュージカルです。普通、ミュージカルは、歌、演技、ダンスの要素からなりますが、レ・ミゼラブルには、ダンスのシーンはほとんどありません。歌と演劇という要素が主体です。
 私が初めてレ・ミゼラブルを見たのは、ブロードウェイ版です。1991年2月2日のことです。世の中にこれほど感動できるものがあるのかと思えるぐらい、感動しました。