■ 新世界 〜交響曲第9番「新世界より」第2楽章より

   新世界は、「AVE MARIA」後、唯一のマキシィ・シングルのタイトル曲です。この曲は、ドボルザークの交響曲9番「新世界より」第2楽章からとったものです。以前から、「家路」というタイトルで歌われていましたが、美奈子さんの歌っているのは、作詞:本田美奈子.バージョンです。

   この曲は、シングルで出すには、ちょっと地味すぎたように思います。世が世なら、「ジュピター」の方がシングルになっていたかもしれません。「ジュピター」はさわりを聴いただけで、「おぉっ!」という感じになるのですが、「新世界」は、少しだけ聴いただけだと、「あ、このメロディーか。」という程度の感想しか起こらないでしょう。ところが、じっくり聴くと、とても良い曲であることが分かります。この曲は、ピアノだけの伴奏で、美奈子さんの歌声をしっくり聴くのも良いですが、やはり、フルオーケストラか、弦楽四重奏といったストリングスの入った演奏と一緒に聴きたいです。美奈子さんの声とストリングスの音が溶け合って、何とも言えない世界を醸し出してくれます。いわゆるクラシックのソプラノ歌手が歌い始めると、声の自己主張が強過ぎて、楽器の演奏の方に神経がいかないとことが良くあります。美奈子さんの声は、オーケストラの楽器の一つのような感じで、ストリングスによって引き立てられると同時に、ストリングスの美しい音をさらに引き出しています。「ソプラノ協奏曲」とでも呼べば良いのでしょうか。

◆ 「新世界」マキシィ・シングル盤 

   「時」や「CLASSICAL BEST」に収録されているものと同じバージョンです。美奈子さんの歌声だけでなく、金原千恵子ストリングスの音にも聴き入ってしまいます。
この曲では、美奈子さんは、声の美しさと調和を大切に歌ってます。何度も聴けば聴くほど、味が出てきます。

◆ N響ほっとコンサート(2004.8.29 NHKホール)
      このコンサートはNHK交響楽団が、夏休みに、ファミリー向けに企画したコンサートですが、演奏するのは、超一流の方々ばかりです。コンサートですが、公開録画の位置づけであり、2004年9月に、NHK BSとNHK教育でTV放送されました。
    私は、このコンサートは、生で聴くことができました。TVで見返すのも楽しいものですが、さすがに生演奏にはかないません。私は、クラシックの演奏も何度か聴きにいったことがありますが、こんなにレベルの高い演奏は初めてでした。美奈子さんの声+N響の演奏は、本当に素晴らしいものでした。