■ ベラノッティ 〜映画「わんわん物語」より

  「AVE MARIA」の映画音楽の中でもう一つ特筆すべき曲が「ベラノッティ」です。「わんわん物語」の曲なのですが、原曲とはまた違った世界を描き出しています。この曲を夜に聴くと、とても静かな気持ちになります。
  昔は、一晩中、天の川にさざめく銀河や、きらめく星座を眺めていたことがあります。この曲は、音楽だけで美しく静から星空のイメージを醸し出しています。

◆ AVE MARIAバージョン
 「AVE MARIA」の最後に収録されている曲です。歌唱技術を追いかけるというより、曲のもっている情感をそのまま引き出すような歌い方です。伴奏はピアノだけのシンプルな構成なのが、何とも言えない空間を産み出しています。曲のラストの「夢のように、星降るベラノッティ」は、歌い上げている感じですが、あまり極端なものではなく、叙情感を持ってエンディングに続きます。
 「ニュー・シネマ・パラダイス」のところでも書きましたが、美奈子さんの歌い方、
とても自然な歌い方なのですが、似たような感覚の歌い方、他の歌手では覚えがありません。また、「ベラ・ノッティ」の歌い方は、美奈子さんの歌を探しても、見あたりません。美奈子さんは、1曲1曲で、歌い方を変えています。

◆ NHKの番組「BS青春のポップス〜わが青春の名曲集」 2003.10.25放送
「ベラ・ノッティ」をテレビで歌ったのはこの時だけだと思います。映画音楽特集ということで、他に「踊り明かそう」を歌っています。歌い方は、大体、「AVE MARIA」と同じです。
 ささきいさおさんが、とっても良い曲とおっしゃってます。

◆  コンサートバージョン
 リサイタルでも、大抵、この曲はプログラムに入ってました。美奈子さんは、この曲だけ、特に、特徴的な歌い方をしていました。ほとんどの場合、アンコールの最後で、マイクなしで歌ってました。本当の意味での生声です。2004年1月10日の大阪シンフォニーホールで聴いた時は、席が後ろの方だったせいで、やはりマイクなしでは声量不足かなという気がしていましたが、2004年秋頃のリサイタルでは、十分通る声になってました。
 美奈子さんがマイクを使って歌うのは、それ自体意味があるので、声量が足りているから、マイクを使わない方が良いということはないでしょう。美奈子さんには、「ベラ・ノッティ」には、できるだけ自然に歌いたいという思い入れがあったのでしょう。