■ 3オクターブは実はすごい
(1) 本田美奈子.さんの声域
前から、美奈子さんの3オクターブちょっとの声域について、書きたいと思っていたのですが、GWにちょっと時間ができたので、以前どこかで書いたものを若干修正しました。まあ、話の種にでも・・・
美奈子さんの声域は3オクターブちょっとと、本人がおっしゃってました。しかし、世の中には、6オクターブとか7オクターブ出るという歌手がいます。3オクターブは狭い?? 私の知っている範囲では、3オクターブ以上出ると、誇りを持っていっている歌手は、美奈子さんの他は、サラ・ブライトマンぐらいしか知りません。
アヴェ・マリアと時の曲について、楽譜を調べてみると、最低音は、「パッヘルベルのカノン」の低音パートにある下の方のレで、最高音は、「美しい夕暮れ」に出てくる上の方のド#です。間も含めて全部書くと、次のようになります。
レミファソラシ ドレミファソラシ ドレミファソラシド ド#
これだけ出て、ほぼ3オクターブです。これは、実際にCDで使っている音なので、練習ではもう少し広いでしょう。美奈子さんの場合、一つの歌の中で、この範囲を自在に使いこなせることがすごいのです。また、高い音でも、歌詞がはっきり聞こえます。母音や子音がはっきりしているということは、実際には、その音の倍音、2倍音・・・
といった音が混ざっているはずなので、音の成分としてはもっと高い音まで出ているでしょう。
また、声域チェックで、レンジが広くても、歌で、人に心地良く聞こえる音でないと、実際には意味がありません。美奈子さんの高音は、きれいに響きます。美しい夕暮れ、生で聴いたことがありますが、CDより美しい声でした。
普通の女声歌手の声域は、せいぜい、3.5オクターブぐらいでしょう。4〜4.5オクターブという場合、ホイッスルボイス(フラジオレットボイス)という特別高い裏声まで含めての話です。マライア・キャリーが出す、ほとんど効果音に近いような高音(ほとんど、キン、キンとしか聞こえないやつ)がそれです。