本文へジャンプ
 

本田美奈子.さんの歌唱法

 美奈子さんの歌をCDでしか聴いたことのない人も多いと思いますが、本当は是非コンサート等で生歌を聴いてもらいたいところです。他の歌手と比較しても、生歌とCDの差が大きいように思います。特に、異なる点について記述します。

(1) ダイナミックレンジ

  最近、美奈子さんのCDを聴いて、良く「透き通るような声」とか「天使の声」とかいうように表現されることがあります。ところが、「力がある」という言い方する人、あまりいません。

 実は、美奈子さんの歌を生で聴くと、とても「力」を感じます。例えば、Time to SayGoodbye等は、とても迫力があります。

  これは、歌っている時の声の大小の差が大きいのです。小さく歌うところから、序序に声量をあげていき、声量いっぱいで歌うところは驚くほどの力を感じます。このあたり、CDでは十分表現できていません。オーディオでいうダイナミックレンジが広いのです。美奈子さんの歌い方は基本的にマイクを使う歌唱法ですが、声量の最大部分では、既存のソプラノ歌手に近い声量があります。それでも、マイクを使うのを基本とするのは、マイクを使わないと聞こえないポップス的歌唱法を併用するからです。歌っている時の美奈子さんを良くみると、中音域では、マイクに口を近づけていますが、声量のあるソプラノボイスに切り替わった後はマイクから口を離して、音量調整しています。

  Time to say goodbyeは、だんだん高音になっていくとともに、声量もアップしていって最後はものすごい迫力で終わります。

 ミュージカルで歌う時も、声量差が著しい歌い方をします。十二夜ライブ版を持っている人は、ららばいを聴いてみてください。出だしの部分、ちょっと音量が小さいなと感じるかもしれませんが、試しに、その部分が普通の音量になるようにアンプのボリュームをあげて1曲聴いてください。後半から急に音量が上がって、ボリュームあげすぎ状態になると思いますが、舞台で聴くと、実際にそれだけの差があります。 Amazing Graceのららばいは、スタジオ録音なので、音量のレベル差が出るような歌い方になっていません。 ミス・サイゴンライブ版「命をあげよう」でも同じようなことが言えます。