冬ざれ

    俳句の目次へ 

 

俳句


冬ざれに 寒さこらえて 母介護

冬ざれや 何の報ひか 母アルツ

冬ざれや アルツの母の 哀れなる

冬ざれに 何の楽しみ 母生きる

冬ざれや 遠き面影 母哀れ

 


冬ざれや 童に還る 母アルツ

冬ざれに アルツの母に 添寝して

冬ざれや 名前忘るる 母アルツ

冬ざれに 妻の手助け 母介護

冬ざれや 冷蔵庫空け トイレどこ

 

 

季語について

 

 

 

俳句にまつわる話

アルツの母の寂しさ、溌剌として人気者だった母が見る影もなくなる。何の意味が合って生きているのだろうか?

壊れていく母 哀しい 虚しい 何のために今まで頑張って生きて来たんだろう?アルツになって苦しみながら生きている。苦しみさえ感じないのかな?

ご飯も美味しくない、何の娯楽もない。テレビもラジオも聞かない。人と話すこともしない、ただ寝ているだけ、それで何か意味があるのだろうか?

自分の意志で何かをすることがない。それで生きていると言えるのか?ただ時間を潰している、時間の経過をいたずらに。

<冬ざれや アルツの母の 虚しさよ>

<冬ざれや アルツの母の 哀しさよ>

冬ざれに 寒さこらえて 母介護>

<冬ざれや 何の報いか 母アルツ>

 

上に戻る