立夏

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俳句


夏が立ち 庭の緑で 点てるお茶

問ふ風に 答へし木々の 夏が来る

夏来たり 黒き日傘と ハイヒール

夏が立ち 人も輝く 景色なる

夏が来て 老婆の日傘 目にまぶし

 


夏が来て 補助輪外す 母に汗

夏が立ち 半袖ほどに 心脱ぐ

夏が立ち 年相応に わく心

新緑を 抹茶に映す 夏が来る

風入れて 心新たに 夏が立つ

 

 

季語について

◆五月たいてい五月六日にあたる。
木々は緑に、夏の歩みが始まる。
夏に入る(なつにいる)。夏来る(なつきたる)。夏立つや
 

 

俳句にまつわる話

  夏が立ち 年相応に わく心

 これって恋にわく心ととらえても良いけど、私は、やる気とか向学心が、初夏のさわやかな風と共にわいてきた。それは、年を重ねても持ち続けたいというような意味で作りました。

 夏来たり 黒い日傘と ハイヒール

   この句は、万博に行った時に作った句です。その日はものすごく暑くて、夏の到来を思わせました。でも、デートだったんでしょうね、彼女は黒い日傘を差して、おしゃれなハイヒールを履いていました。どう見ても万博見物には相応しくない、でも、そんな女心がせつなくて、素敵だから句にしてみました。まあ〜、ハイヒールが好きだということも大きいのですが……。

 夏が来て 老婆の日傘 目にまぶし

 これもなぜ老婆かな?ですね。一応下手なりに、意外性をねらったわけです。若くて美しい女性なら、華やかな色の日傘をさすけど、老婆が華やかな(私は白のイメージ)日傘をさす、いつまでも、若々しくありたいという女心が素敵だったので、句にしました。

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