五月晴れ
俳句 |
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わざわひを 転じて心 五月晴 宿命と 悟りて笑ふ 五月晴 草のびて 取りし機嫌の 五月晴 待ちわびし 日傘のゆれや 五月晴 忌が明けて 嫁お披露目の 五月晴 |
雨模様 言葉一つに 五月晴 許すこと 老いて学びし 五月晴 握る手に 恥ぢらふ汗の 五月晴 重ねても 今が一番 五月晴れ |
季語について |
◆六月 「五月雨(さみだれ)」に対する「五月晴」、すなわち梅雨の晴間をいう。最近、天気予報などで、陽暦五月の快晴を五月晴といっているのは本来の意味からは誤用である。梅雨晴(つゆばれ)。 |
俳句にまつわる話 |
忌が明けて 嫁お披露目の 五月晴 5月7日に父の七回忌がありました。3月に甥(私の妹の息子)が結婚をしましたが、結婚式に出ていない親戚へのデビューがこの日でした。そんなめでたさを五月晴にたとえたわけです。 右後ろ 熱き視線の 五月晴 私の初恋、初デートの時の思い出です。恥ずかしくて一緒に歩けない、彼女がやや右後ろから、つかず離れずついてくる。(右後ろは、彼女を車道側を歩かせたくない配慮です)自分の意識としては、全て右後ろに集中している。また、彼女も言葉にはできないけど、その熱き視線を肩のあたりに注いでいる。そんな風景を描きました。 梅雨に晴 時のいやしに ゆだねけり どんなつらいことでも、時がいやしてくれます。時は全てに勝る良薬、それが年を重ねてわかっただから、日々を淡々と生きて、その時間の中に身をゆだねよう。そうすれば、いつか苦しみも悩みも終わっている。 雨模様 言葉一つで 五月晴 好きは人の一言、ちょっとした仕草、反応で落ち込んだり、舞い上がったりしますね。それが恋と言うものかな?そんな青春時代の恋を思い出して作りました。もう一度、そんな恋がしたいなあ〜〜。もちろん、プラトニックで(笑)。 許すこと 老いて学びし 五月晴 亀の甲より年の功といいますよね。年を取ると体力・気力が衰えるけど、悪いことばかりではありません。年をとって、大概のことは許せるようになりました。自分に関わってくることの大半は、どうでもいいこと。また、どうでも良くないことでも、自分の我をはらずに、相手に譲ることで気分良く生きていけることを知りました。 重ねても 今が一番 五月晴れ これは、人生を重ねる、つまり年をとったけど、いつも今が一番良い時だと思いたい、そのために努力をして生きている。そんな気持ちを書きました。事実私は、今の55歳が大好きで、今までの中で一番良い時だと思っています。 握る手に 恥じらう汗の 五月晴 誰の手を握った(笑)?もちろん昔の話し。それも、30年も35年も昔の話です。一度握った手が、暑さで汗ばんで来る。でも、一度握ったのだから、離したくない。いや、握るのも恥ずかしいが、離すのも恥ずかしい。そんな、青春時代の新鮮な恋模様です。 |