若水

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俳句


若水に 作る雑煮の 湯気清き 

若水に 映りし紅の 鮮やかさ

若水や 雑煮できしと 夢に聞く 

若井汲む 鼻緒の音を 夢に聴く

若水を 供へし息子 母見つめ

 


若水の 冷たき刃 凛として

若水や 合格誓ひ 春を待つ

若井汲み 初風呂沸かす 父は亡く

若水に 紅き君の手 温めゐる

かすかなる 鐘の音を聴き 若井汲む

 

 

季語について

季語<若水><若井>

清らかな水 気持ちを新たにする 新年の誓い  
若水でお雑煮を煮て食べる 若水は男が汲むものと田舎ではなっている
井戸水 昔の思い出 神事 宗教心がなくてもこの時だけは……。
若き母を思う いつまで若水が飲めるか? 冷たい井戸水 心が洗われる
好きな人と 最初に合って初詣に行きたい 除夜の鐘を聞きながら若水を汲む
紅白歌合戦を見て徹夜する。 行く年来る年
お正月の朝の風景 お雑煮のもちの数を聞く母
和服を着て初詣 お正月の始まり 新年の始まり

 

俳句にまつわる話

☆ 若水でお正月の朝餉を作る、昔の母の面影、湯気の向こうに懐かしさが滲む。

  台所に立つ母の姿 エプロン姿 
紅さして 昨日までの悲しみを捨てるように、振り切るように……。

◎ 若水で 作りし雑煮 清き湯気

◎ 若水や 母の面影 懐かしく

◎若水や 雑煮できたと 夢で聞き 

◎若井汲む 鼻緒の音を 夢で聴く


☆ 何の宗教心もないけど、この時だけは若水を神棚に供え柏手を打つ。子供大人のまねをする。母に言われて意味もわからずに持っていく。古い家のしきたり、若水は男が汲み、神棚に供える。

◎若水を 供えし息子 母見つめ

◎若井汲む 男の役目 晴れ晴れと(堂々と)


☆ 子供の頃住んでいた家には井戸があり、それを思い出すと母のことが思い出される。まるで、昔のことがつるべのことのごとく思い出される。

◎若井汲む つるべのごとく 母想う  


☆ 井戸水の冷たさが凛とした気持ちにさせる。テレビを見てばかりのだらけた気持ちを立て直すみたいに顔を洗う。

◎若水で 心の中を 立て直す


☆ 煩悩の鐘を数えながら若水を汲む

◎かすかなる 鐘の音聴きて 若井汲む


☆ お正月の風景 紅白 行く年来る年などのテレビ番組で遅くまで寝ている。すでにお正月の漫才やお笑いが始まっている。お年玉をもらえる楽しみ。冷たい水で顔を洗うのは、先の楽しみのための苦しみ。

◎若井汲み 初風呂沸かす 父は亡く


☆ 初詣に行って若水で手を清めお参りをする。

◎若水で 冷えし君の手 温める


☆ 一番好きな人と一番先に会ってデートがしたい。

◎若水で 心も清め 初デート

◎年明けて 若井のごとき 君と逢う 

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