松落葉

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俳句


静けさに 鳥ため息の 松落葉

青きまま 落ちて悲しき 松落葉

松落葉 ビルの再生 乗り越えて

木の涙 風ささやきて 散松葉

年重ね 身を引く術や 松落葉


草野球 かすれし声の 松落葉

名木も 逃れぬさだめ 松落葉

忘却の 朽ちしボールに 散松葉

心ふれ 踏む音軽き 松落葉

腕枕 草笛聞こゆ 松落葉

 

季語について

 
 松も新しい葉を出した後に葉を落します。今回この季語で俳句を作るため、散歩には、松のある公園にばかり行って松落葉を見ています(笑)。

 今までは、松落葉とは冬の季語だと思いこんでいました。思いこみとは怖いものです。

 句でも作ろうと、松落葉に座ろうとして、手で支えると、まだ青くて元気な松葉がちくりと刺します。ふんわりとした座り心地と、目線がさがることで一気に少年の頃の、なつかしい時代が戻ってきます。

 

俳句にまつわる話

 

 5月3日の日に、一宮市にある木曽三川公園に行って来ました。GW中で交通渋滞が予想されるため、早め(8時15分)の出立をしました。 しかし、東名阪で交通事故などもあり渋滞、さらに、木曽三川への道も大渋滞と、ついたのが10時45分と2時間半もかかってしまいました。(渋滞がなければ1時間15分)

 広い公園のため、人が一杯いましたが、ゆったりと自然と時間を過ごすことができました。久しぶりに芝生に寝転がり、土の感触を楽しんでも来ました。遠くで草笛を吹くなつかしい音色が疲れをとってくれます。

 腕枕 草笛聞こゆ 松落葉

 少し前に、佐布里池に梅を見に行った時、こういう場所は<おにぎり>が良いと思ったので、今回は手作りのおにぎりを持って行きました。やはり、芝生の上で花を見ながらの昼食は、塩の利いたおにぎりが一番です(笑)。

 松落葉 塩のおにぎり うまきかな

 木曽三川とは、長良川、木曽川、揖斐川の3つの川が合流する地点のことです。展望タワーに600円出して登りましたが、3つの川はそれぞれ色が違うんですね、そんなことに感動していました。

 三川の 色の違いや 松落葉

 今は治水もできて、安全になりましたが、以前は輪中といって、それぞれの村で堤防作り、洪水に備えていました。

 それを、明治時代オランダの技士が中心になり、地域全体の協力の下、大工事が行われて、現在のように、美しくて安全な川になったそうです。そんな歴史も勉強して来ました(笑)。

 松落葉 木曽三川に 歴史見ゆ

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