花火
俳句 |
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幟立ち 夜まで待てぬ 昼花火 人ごみを 避けて二人の 遠花火 風邪ひきや 音に花火の 品定め 音急かす 茶漬けかき込む 花火かな 昼花火 酢の香なつかし 割烹着 |
君の村 祭り知らせし 昼花火 君と見し 花火がいつも 一等賞 何もかも 消えて二人の 花火かな 束の間の 仕掛け花火や 永久の華 駅急ぐ 背中乱舞の 花火かな |
季語について |
俳句にまつわる話 |
世間知らずの子供だから、蒲郡の花火大会は日本一だなんて、思っていた時期もありましたが、成長と共に、普通の花火大会に毛が生えた程度だとわかってきました。それでも、あの頃の花火大会は、思い出として深く残っています。 人ごみを 避けて二人の 遠花火 君と見た 花火がいつも 一等賞 何もかも 消えて二人の 花火かな
蒲郡は30年くらい前は、人口5万足らずの織物と観光の町でした。9月から10月にかけての土日は、市のどこかの町で祭りをやっていて神社には幟が立ち、昼花火が上がり、祭り気分を盛り上げていました。子供心にも、昼花火が上がると、何かワクワクとしてきて夜店の雑踏と独特の匂いが感じられて、夜が待ち遠しくなったものです。 今でこそ、居酒屋とか外で飲む所が一杯あるけど、昔はお酒を飲むのは、お祭りか法事くらいで、ほとんどが家でした。 そんなわけで、毎年のように、近い親戚を呼んでお祭りの時は宴会をやるわけですがご馳走と言えば、手作りの巻きずしと稲荷ずしと決まっていました。それを朝から作っていた若き頃の母が目に浮かびます。 昼花火 酢の香なつかし 割烹着 幟立ち 夜まで待てぬ 昼花火 君が村 祭り知らせし 昼花火 |