女郎花
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俳句
次めざす 球児見つめし 女郎花 女郎花 添へて残暑の 文を書く 人知れず 咲きて散りゆく 女郎花 女郎花 迷ひし心 髪を切る 隠れ宿 旬会席に 女郎花
女郎花 丸く変はりし 父と風 女郎花 会いたき頃や 始業式 名園を 巡る野の道 女郎花 女郎花 咲きて風さえ 色変わる 上高地 ひと足早き 女郎花
俳句にまつわる話
女郎花は、秋の七草の一つで、ちなみに秋の七草とは、<萩 薄 桔梗 撫子 葛 藤袴 女郎花>です。 7/25頃〜10/10頃に山野に黄色い清楚な花を咲かせます。 私のこの花のイメージは、「夏の終わり」です。 そこで、一句。 女郎花 添えて残暑の 文を書く 甲子園 めざす球児 女郎花 女郎花 咲きてさびしき ビヤホール 昨日(9/2)は俳句の日で、名古屋の栄にある中日文化センターにでかけました。暑さも峠を越したと思えたので、駅までの25分間歩いて行きました。 その途中で、道に咲いている女郎花(おみなえし)に気がつきました。何か恋いこがれている人に、道で偶然会った時のように強い衝撃を受けました。 この季語で俳句を作るために2週間、あれ程探していたのにその時は影も形もなくて、 こんな時、こんな場所で見つかるなんて……。 近くの住民のゴミの集積所のような所に、ひっそりと少しだけ咲いていました。色は黄色というよりも、山吹色、鈍い黄金色という感じでした。形は傘とかかんざしを連想しました。 今回見たのは、少しだけでしたが、群生している所だと、なかなか見応えがあるでしょうね。 この花をもっと前に直接見ていたら、私の作る句も変わっていたでしょう(笑)。この日、句会にもっていった句は、 女郎花 添えて残暑の 文を書く 次めざす 球児みつめし 女郎花 特に、前の句は評判良かったです。 でも、女郎花は色はきれいで清楚な感じですが臭いがダメですね。それを知らなかったので、花を添えてとしてしまいました。実際に女郎花を添えた文だと臭くて、ムードも何もありません(笑)。 でも、この句が良いと言ってくれた人も多かったと言うことは、この花の臭いのことを知らないで句を作っている人が多いというわけですね(笑)。 たおやかに 風もすけゆく 女郎花 山荘の 錆びし鉄階 女郎花 この二句は、昨日の句会で、 私が気に入った他の人が作った句です。 俳句をやり始めて、1年半が過ぎました。俳句をやっていて良かったことはいくつかありますが、その中に、花の名前を覚えることがあります。今回の女郎花や鈴蘭、紫陽花、萩等です。 俳句を作るために、その花を必死で探していると、自分の家の庭に咲いていたり いつも歩く道に咲いている。 これって不思議だと思います。花そのものはずっとそこにあるのに、それに気がつかない。その花を探す、見つけようとしてようやく咲いていることに気がつくわけです。 「青い鳥」と同じように、幸せは自分の身近にすでにある。それに人は気がつかないだけ。だから、漠然と夢とか幸せを求めるのではなくて、はっきりと具体的に探していけば、すでにあるものなら見つかるはず。そんなことを考えながら、駅までの道を歩いていました。
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