寒紅

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俳句

寒紅や なだめすかして 稚児の列

花嫁の 恥じらひ隠す 寒の紅

褒められて 寒紅ほどに 頬を染め

クラス会 いつもと違ふ 寒の紅

友情が 恋に変りし 寒の紅
 

寒紅や 母が女に 変わる時

寒紅を 直し心の 揺れ止めぬ

子のために ひく寒紅の 晴れやかさ

寒紅を ひいて断ち切る 未練かな

良き年を 重ねて深き 寒の紅

 

季語について

 紅花を原料とした日本古来の紅は、
寒中に製造されたものが最も良いというので寒紅として珍重された。
ことに寒中の丑の日に売り出す紅が最も良いものとされ、
丑紅(うしべに)の名がある。
また寒中丑の日に紅をつけると口より入る疫病や虫を殺すという俗説もあった。
現在の口紅はほとんど洋紅(ルージュ)であり、
単に寒中に女性が用いる口紅を寒紅と呼んでいる。 

 

俳句にまつわる話

  紅花を原料とした日本古来の紅は、寒中に製造されたものが最良ということで寒紅として珍重されてきました。

 ことに寒中の丑の日(今年は1月19日)に売り出す紅が最も良いものとされ、丑紅(うしべに)の名がついています。

 また寒中丑の日に紅をつけると口より入る疫病や虫を殺すという俗説もあったそうです。

 ただ、現在の口紅はほとんど洋紅(ルージュ)であり、単に冬に女性がつける口紅のことを寒紅と呼んでいます。

 女性が口紅をつける時はどんな気持ちでつけるのでしょうか?いつもの自分と違った自分に変身する、女優になるような……。

 きっと、好きな男に会いに行く時と普通に外出する時は紅の付け方も気合いが違うんでしょう(笑)?

口紅からいろいろなことを連想しました。

 娘が4〜5歳の頃、実家の近くの神社が稚児行列の参加者を募集したことがあります。その時の可愛い写真がありますが、あの素直で可愛い娘はどこへ行ってしまったのでしょう(笑)?

 化粧をして、紅を付けるのですが、それが嫌だったみたいで、泣きながら逃げ回っていた姿が印象に残っています。でも、化粧した後の顔は気に入っていたみたいで
きっと、女優の気分になっていたのでしょう(笑)。

 <寒紅や なだめすかして 稚児の列>


 女性は化粧をしたり、紅をつけたりする時どんな気分なんでしょうか?
男には絶対わからない世界。(それに憧れる男もいますが……(^^;))

 今までの自分、普段とは違った自分に生まれ変わる。変身をする。特に好きな男に会う時はいつも以上に入念に紅を塗るのでしょ(笑)?

 <クラス会 いつもと違ふ 寒の紅>
 <友情が 恋に変わりて 寒の紅>
 <寒紅や 母が女に 変わる時>
 

 

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