蝌蚪
俳句の目次へ
俳句
手のひらに すくいし蝌蚪の 水温き 歓声の 上がりし先に 蝌蚪の群 さりげなく 季節変はりて 蝌蚪の川 花散りて たまりし底に 蝌蚪の国 ねぼけ顔 友と宿題 蝌蚪の川
蝌蚪取りの 背丈に余る 長柄杓 好奇心 満たす童や 蝌蚪の川 あの頃に 戻す旅路や 蝌蚪の川 集団を 率いる蝌蚪の 志 雑兵の たくましきかな 蝌蚪の群れ
四月 お玉杓子(おたまじやくし)のことである。蛙は晩春、沼や池に卵を産み十日くらいで孵化すると、黒くひょろひょろと泳ぎ出す。成育するにつれて手足が生え、尾がとれて蛙となる。蛙の子(かへるのこ)。 春(晩春) 【異名】おたまじゃくし(お玉杓子)・蝌蚪(かえるこ)・蛙の子・蝌蚪の紐・数珠子・蛙生る(かえるうまる)蝌蚪の池・蝌蚪の水
俳句にまつわる話
蝌蚪とはおたまじゃくしのことです。俳句は575の短い言葉で、ある程度まとまったことを言わなければならないので同じ内容のことをいろいろな言葉で表現します。 例えば、今回のおたまじゃくし(6字)は蝌蚪(2字)蛙の子(5字)のように……。 俳句での使い方では、<蝌蚪の川><蝌蚪の池><蝌蚪の水><蝌蚪の紐><蝌蚪の群>などです。 小学生の頃、学校の宿題でおたまじゃくしを友達と朝早く起きて取りにいったことを覚えています。最近というか、40年以上蝌蚪は見ていません(笑)。少年の頃のなつかしき思い出ですね。そんな、純真で清らかな少年時代の私のことを思いだしながら、作った句です。 掌に すくいし蝌蚪の 水温き 歓声の 上がりし先に 蝌蚪の群れ さりげなく 季節変わりて 蝌蚪の川 花散りて たまりし底に 蝌蚪の国 蝌蚪取りの 背丈に余る 長柄杓
上に戻る