独楽
俳句の目次へ
俳句
ふるまひに 飽きては童児 独楽回す 乳液の 蓋に母の香 独楽回し 神の手の ごとき童の 独楽回し 視線あび 思はず力む 独楽回し 独楽回す 瞳に映る 明日かな
独楽遊び 遠くにかすむ 母の声 抜け出して 茶漬けかき込む 独楽遊び 少年の 瞳に戻る 独楽自慢 屋根裏に 眠りし独楽に 時戻る 独楽のこつ 教へし父の 左利き
俳句にまつわる話
私は56歳ですが、子供の頃は独楽遊びを一杯しました。真鍮性の独楽を買ってきて、蝋を塗ったりして自分に合った独楽に変えたり、巻く紐が独楽にしっくりなじむように工夫をしたものです。 独楽遊びで覚えているのは、誰の独楽が一番長く回っているか?それを競う遊び。 そのためには、できるだけ狭くて深い蓋の上で回した方が良かったので、家中の蓋という蓋を探し回ったことを覚えています。一番都合が良かったのが、母親の使っていた乳液の蓋。それを黙って使ってしかれてことを覚えています。 今考えれば、あんな狭い蓋に独楽を入れて回していたのですから信じられないことだけど、それができたのは集中力のおかげ、何度も練習をすることで可能になりました。 乳液の 蓋に母の香 独楽回し 今の子はほとんど独楽遊びはしないと思います。私の子供の頃は、メンコ(東三河ではペッシャンと言っていました)と、独楽回しが子供の遊びの定番でした。そして、格好良さの序列を決めるのは、学校の成績ではなく独楽やメンコの腕によって決まっていた気がします。 独楽の腕 それが全ての 幼き日 少年の 瞳に戻り 独楽自慢
上に戻る