彼岸花
俳句 |
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普段着の 行き交ふ人や 彼岸花 余韻のみ 残し暮れゆく 彼岸花 南吉の 養家に白き 彼岸花 書を閉ぢて 見つめる先に 彼岸花 我が思ひ 重ねし文の 彼岸花 |
忌み花と 言はれてもなほ 曼珠沙華 彼岸花 手折し夜の ごん狐 赤布の ごとき流れや 彼岸花 南吉も 歩きし川の 彼岸花 子と学ぶ ごんの哀しみ 彼岸花 |
季語について |
俳句にまつわる話 |
9月21日(金)の夕方に矢勝川の彼岸花を見てきました。2週間前に行った時に比べれば、ちらほら咲いていましたが、それでも、まだまだという感じで、見頃は10月になってからではないかと思います。今年は夏が異常に暑かったから、その影響で遅くなっているのかもしれません。 9月16日(土)の句会の季語は<彼岸花>でした。以前住んでいた蒲郡家では、自分の部屋の窓からみかん畑が一望でき、季節になると真っ赤な彼岸花が咲いているのが見えました。その赤い花を見ながら、せっせとラブレターを書いたものです(笑)。もちろん、遠い遠い昔の話です……。 今回の句は、半田生まれの童話作家の新美南吉とその代表作<ごん狐>、 それに関わりのある矢勝川の彼岸花をイメージして作りました。 余韻のみ 残し暮れゆく 彼岸花 南吉の 養家に白き 彼岸花 我が思ひ 重ねし文の 彼岸花 |