野分

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俳句

台風や 見えなき影に 吠える犬

父一人 残し避難の 野分かな

屋根裏に 残りし父の 野分かな

手つかずの 宿題残し 野分晴

野分晴 心切り替え 新学期
 
不揃いの むすびの味や 野分後

家具洗ふ 川遠かりし 野分後

子には子の 役割ありて 野分かな

しばらくは 被害自慢の 野分かな

夏の恋 未練断ち切る 野分かな

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 9月1日(土)の句会の季語は野分(のわき)でした。皆さん、野分ってご存じでしたか?私は知りませんでした。野分とは、今で言う台風のことです。

 台風の強風が、野の草を吹き分けることからついたものです。ただ、秋の末から冬にかけて吹く風(木枯らし)も野分というそうです。

 台風の思い出はいろいろあるのですが、私は子供の頃は、蒲郡市の海辺に住んでいて台風(水害)には何度も悩まされました。特に、小学校5年生の時にきた、伊勢湾台風は床上1mくらいまで水がきて、あわや倒壊というぎりぎりの状態まで行きました。

 父は家を守るため、最後まで残り、水が入ってきたので、屋根裏に登って難を逃れました。私は母と妹と一緒に、1時間近く歩いて親戚に家に避難しました。避難暮らしは、子供心にも肩身の狭いものだったことを覚えています。

 家の中の家具は泥だらけで、学校を休んで近くの川(歩いてこれまた1時間くらい)までリヤカーで家具を洗いに行ったことを思いだします。

 水も電気をなかったので、炊き出しのおにぎりを食べたり、救援物資を平等に分配するために、近くの家に集まりくじを引いたことは今となっては楽しい思い出です(笑)。

父一人 残し避難の 野分かな
屋根裏に 残りし父の 野分かな
不揃いの むすびの味や 野分後
家具洗ふ 川遠かりし 野分後
 

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