牡丹

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俳句

つなぐ手の 離しそびれて 白牡丹

憂きことを 抱えたままに 牡丹寺

やさしさの 手本は母に 白牡丹

白牡丹 清さの裏の 深き陰

ぼうたんと ならしむ陰の 深きかな
 
白牡丹 母にもありし 若き時

新聞に 知りて牡丹の おそかりし

桜より 牡丹の散るを 好みけり

ぼうたんの 命尽くして 散りにけり

ぼうたんや 命の限り 燃え尽きぬ
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 牡丹とは、俳句では<ぼうたん>ともいい、
華麗で気品がある姿から、<花の王>と言われています。
半田運動公園で牡丹を見ましたが、
残念ながら、盛りを過ぎて花びらが散ったり、
花が朽ちかけていたものが大半でした。

 あの優雅な牡丹が、牡丹のまま朽ちていくのも
あわれであると同時に、深い味わいがあり、
人の人生を感じさせてくれました。

 桜のように盛りと同時に散る潔さもいいのですが、
牡丹のように、命を全うし、汚れながらも
牡丹としての一生を終わるのも良いものです。
私は、どちらかというと、
桜より牡丹のような生き方が好みです。

 牡丹さえ話せぬ過去のありにけり
 ぼうたんや命の限り燃え尽くす
 桜より牡丹の散るを好みけり
 ぼうたんの朽ち方むしろ好みけり
 

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