目刺

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俳句

青き時 目刺に語る 夕餉かな

号令に 合わせ目刺の ならびおり

背に残る 青さ目刺の 無念かな

妹と 目刺の浜に 貝拾ふ

しがらみや 目刺の煙 目にしみぬ
 
怨念か はらわた苦き 目刺かな

我ありと 目刺の背骨 ゴキゴキと

焼きすぎの 目刺残して 妻の留守

知るほどに 我はちからの なき目刺

四五年は 虚子も目立たぬ 目刺かな
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 3月15日(土)の栄句会の季語は目刺でした。

 目刺は子供の頃はよく食べたのですが、
最近は贅沢になったのか、ほとんど食べたことがありません。
そんなわけで、どんな味だったと思いだすために、
ジムの帰りにスーパーに行って
目刺を買ってきました。
12匹入りのパックで300円でした。
さっそく夜に食べましたが、
決してうまいものではないですね(^_^;)。
イメージの中での目刺は脂がのっておいしいのですが、
現実は甘くありません(>_<)。

 目刺が食卓に並んでいたころ、
自分の若かったころは、貧しくて
隣近所とのベタベタしか関係があり
それが嫌で嫌で逃げていたのですが、
最近はそれもなつかしく思えるから不思議です。
人間<のど元過ぎれば熱さを忘れる>ですね(*^_^*)。

 目刺の句というと
芥川龍之介の句に
<こがらしや 目刺に残る 海の色>があります。
さすが芥川龍之介、この感性の素晴らしさに脱帽です。
この句には遠〜〜〜〜〜く及びませんが、
句を作って見ました。

背に残る 青さ目刺の 無念かな
句のためと 目刺し肴に 大吟醸
我ありと 目刺の背骨 ゴキゴキと
知るほどに 我はちからの なき目刺
 

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