涅槃会
俳句 |
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涅槃会や 経の切れ間に 足崩す 分を知りて 分に従ひて 涅槃像 めざす句は 易きて深き 涅槃かな 涅槃図に 死の恐ろしさ 消えにけり 涅槃会や 経のリズムに 句の浮かぶ |
涅槃像 まねて手枕 テレビ見る 涅槃会に 合わせ納骨 京の旅 煩悩を 消せばまた来る 涅槃会や 涅槃図の 一人仏の 笑みており 図書館に 涅槃図探す 昼下がり |
季語について |
俳句にまつわる話 |
2月16日(土)の栄の句会の季語は<涅槃会>で、 それに関係のある<涅槃><涅槃図><涅槃像>も同じことです。 私はこの言葉は初めて聞きました。 不信心で仏教に疎い朔太郎にとって、こういうことでもなければ 知り得ない言葉です。 そこで、句を作るためにこの言葉の意味を知ろうと、いつものように インターネットで検索しました。 涅槃会とは、陰暦二月十五日、釈尊入滅の日(なくなった日)に、 全国の各寺院で営まれる法会で、 「仏生会」(ぶっしょうえ)<仏が生まれた日> 「成道会」(じょうどうえ)<仏が悟りを開いた日>とともに 三大法会の一つとなっています。 涅槃会を行う寺院では、 この日「涅槃図」<仏が亡くなった時の様子を描いた図> や涅槃像(仏の亡くなった時の姿を像にしたもので、 北を枕に、右脇を下にして横臥したも>を掲げ、 『遺教経(ゆいきょうぎょう)』 (釈尊の最後の説法を記した経)などを読誦します。 また、「涅槃」とは、サンスクリット語で″ニルヴァーナ″といい 「吹き消すこと」を意味します。 煩悩の炎を吹き消し、さとりを開いた状態のことで、 一般には、釈尊の入滅をさすことばとしても使われています。 釈尊はクシナガラにある沙羅双樹(さらそうじゅ)のもとで 八十歳の生涯を終えました。 そこで一句。 涅槃会や 経の切れ間に 足崩す 涅槃会に 合わせ納骨 京の旅 煩悩を 消せばまた来る 涅槃会や |