木槿(むくげ)

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俳句

妻と行く娘住む街花木槿

底紅やあどけき稚児の初化粧

人気なき昼の銭湯木槿咲く

白木槿少女秘めたる色香かな

明日へとつなぐ蕾や花木槿
 
夕暮れに役目終えたる木槿かな

客多き茶店の庭に花木槿

短編を読めば木槿のしぼみけり

夕暮れを待てぬせっかち花木槿

時待てずしぼみゆくかな花木槿
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 8月の初め頃からこの季語で俳句を作り始めました。
私はこの花のこと、全く知らなかったので、
家内にどんな花なのか、
近くに咲いている所はないかと聞いていました。

 いくら私の句がいいかげんでも、
季語の花を見たこともないのでは話になりません。
インターネットでは見ていましたが、やはり実物が必要です。

 そんな時、蒲郡にお中元を届けに行った帰りに
道ばたに咲く木槿を見つけました。
この日は行きから、道々木槿を探しながらのドライブだったので、
それを見つけた時に、妻が突然大きな声を上げました。

 花木槿見つけし妻の声荒らし

 それからというもの、木槿にばかり意識が行き
外に出るたび、木槿を探していたら、
結構いろいろな所に咲いているのがわかりました。
結局、昨年までは咲いていても意識がそこにないので、
花に気がつかなかったのでしょう。
 また、季節も8月の中旬から下旬にかけてが盛りで、
まるで過ぎゆく夏を惜しんでいるようです。

 写真の白木槿は、仕事場の近くにある
銭湯の駐車場に咲いていたもので偶然見つけました。
携帯写真ですが、実物以上にきれいに撮れたので、
さっそく携帯の待受画面にしました(*^_^*)。

 木槿にはいろいろな種類があり、
色も白、赤、ピンク、紫といろいろです。
でも、私が一番きれいだと思うのが、
写真のように、白い花びらの底に紅があるもの、
これを俳句では<底紅(そこべに)>と言うそうです。

 この底紅は、千利休の孫である
千宗丹(そうたん)が好んだことから、
宗丹木槿と呼ばれています。
私もこれが断然好きです(*^_^*)。

 朝開き、夕方にはしぼんでしまい、
翌日にはもう咲かないので
「槿花(きんか)一日の栄」という言葉があります。
でも、一枝にたくさんのつぼみをつけるので、
一日でしぼんでしまっても、
他のつぼみが次々に咲くので、
いつ見ても花が咲いているように見えます。
そんなことから、韓国では国の花になっているそうです。

花好きな 妻にたずねし 木槿かな
底紅や 旅は越前 竹人形
さびれたる 温泉駅に 咲く木槿
人気なき 昼の銭湯 木槿咲く
 

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