灯籠

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俳句

せわしなく経読む和尚盆灯籠

灯籠を作る背中の遺影かな

灯籠やたちまち部屋の凛として

一瞬に浮かびし母の盆灯籠

床の間に釘打ち吊す盆灯籠
 
若すぎる父の遺影や盆灯籠

いずまいを正して作る盆灯籠

灯籠の箱に埃の一年分

灯籠や灯せば母につながれて

言訳や急ぐ和尚の盆灯籠
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 歳時記には
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 盆灯籠(ぼんどうろう)をいい、供養のためこれを灯し、
精霊に供えるのである。
都会ではただ秋草などを描いた
美しい盆提灯(ぼんぢやうちん)を吊るくらいがふつうである。
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とあります。

 灯籠は8月の季語ですから、秋に分類されます。
俳句では、2月,3月,4月を春、
5月6月7月を夏、8月9月10月を秋、
11月12月1月を冬とします。

 私は盆提灯のことをイメージして句を作りました。
母が亡くなって5年にないますが、
親戚から3つの盆提灯が贈られたので、
それを作る係を家内から命じられています(*^_^*)。

 私は不信心で、めったに仏壇に手を合わせないので、
せめてもの償いのためと思って盆提灯を作っています。

灯籠を灯せば母につながれて
いずまいを正して作る盆灯籠
盆灯籠せわしさ残す和尚かな 
 

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