春日傘

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俳句


思ひ出と 共に畳みし 春日傘

ウィンドウ 映る母似の 春日傘 

句読点 母の形見の 春日傘

空よりも 淡き空色 春日傘

春日傘 閉ぢて佳き日の 終りたる

 

春日傘 今日の心に 合せけり

春日傘 広げ返事を はぐらかす

コンサート 傘立にある 春日傘

試歩の路 影寄添ひて 春日傘

淑女へと 変へし呪文や 春日傘
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


  日傘は夏の季語ですから、春の季語として使うには
<春日傘>とことわる必要があります。

 春の強い日射しを避けるために、
日傘が使われるのは、5月のGWの頃でしょう。
いつものように、春日傘を見て俳句を作りたいと思って、
いろいろな所へ行きましたが、
この句を作っていたのが3月の末でしたから、
目を皿のようにしてみても、誰もしていませんでした(^^;)。
で、仕方なしに頭の中の想像、妄想を総動員して句を作りました。

 私は春日傘から、明るく上品な色気を感じます。
また、若い頃の綺麗だった母親のイメージともダブります。
そこで一句。

 思ひ出と共に畳みし春日傘
 ショウウィンドウ若き母似の春日傘 
 句読点義母の形見の春日傘
 空よりも淡き空色春日傘
 

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