風光る

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俳句


風光る 紅茶の脇の 単語帳

合格の ペタルも軽し 風光る

片思ひ 告げし勇気や 風光る

静寂の やがて歓声 風光る

定年や 道定りて 風光る
 

饒舌と なりし友あり 風光る

時の価値 知りて老後の 風光る

風光る 海割る如く 道開く

採用を 喜ぶ母や 風光る

風光り 書いてまた消す 恋の文
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 <風光る>とは歳時記によれば
 「うららかな春の日にやわらかな風が吹きわたるその明るさをいう。
春になると、陽の光も強くなり、吹く風もきらめいて
風にゆらぐ風景もまばゆく明るい。
それを風が光ると感じたのである。
いきいきと輝く自然の陽光と風の様相は、どこか希望や青春に息吹、
新しさを感じさせる響きがあり、生々の気に満ちていて、
現代人の心をとらえるものだろう。」とあります。

 朔的にはこの季語から受けるイメージは
ズバリ「春の訪れ」とそれを待つ心です。
そして「春の訪れ」と言えば、
「受験生」「高校や大学への合格」
そして「恋の予感」です(*^_^*)。

 私が受験生だったのは、40年も前のことになります。
学校から帰り、すぐに仮眠とり、遅い夕食を食べた後
深夜ラジオを聞きながら勉強、
そして深夜に自分で夜食を作って朝まで勉強、
そんな、あの当時流行った
「受験生ブルース」のとおりの生活をしていました。

 ただあの時は、目標に向かって勉強をしていれば良いわけですから、
今考えれば贅沢で恵まれた時間を過ごしていたわけで、
それをさせてくれた両親に感謝したいと思います。
そして、その時は苦しかったけど、なつかしい思い出です。

 風光る珈琲脇に単語帳

 長く苦しい時間を過ごしたればこそ、合格した時の喜びはひとしお。
合格すると、心を覆っていた暗いもやもやしたものが
一気に晴れ、道が開けたような感じがしました。

 そして、今なら何でもできる、何でも叶うのではないかと
超楽観主義になってしまいました(*^_^*)。
それを裏付けるように、私は大学の合格の時に、
ずっと片思いで告白できなかった初恋の人に、
自分の思いを告げる勇気をもらい、
ラブレターを書きました。

合格のペタルも軽し風光る
片思ひ告げし勇気や風光る
風光り書いてまた消す恋の文
 

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