鯉のぼり

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俳句


鯉のぼり 群れて酢の倉 泳ぎけり

跡取りを 産みて安堵の 鯉のぼり

それぞれに 風を選びし 鯉のぼり

うまき風 腹一杯の 鯉のぼり

嬉しさに 腹見せ泳ぐ 鯉のぼり
 

鯉のぼり 群れて運河を 泳ぎけり

鯉のぼり 運河を揺らす 影数多

身の丈に 合わす狭庭の 鯉のぼり

鯉のぼり 初めて親と なりし頃

田の水に 草葺き屋根と 鯉のぼり
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 
 鯉のぼりの由来をネットから調べて見ると、
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 中国の故事に「黄河上流に龍門という滝のような急流があり、
それを登ることのできた鯉だけが龍になった」とあります。
江戸時代から、この「登竜門」のいわれにより
「鯉のぼり」を揚げ子供の将来の立身出世を願ったのです。
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とありました(*^_^*)。

 私は半田市に住んでいます。
半田は江戸時代から酒と酢で栄えて町で、
ミツカン酢の本社もあります。
ミツカン酢の工場と酢の倉は、半田運河に沿って並び、
しっとりと落ち着いた雰囲気の景観を形どっています。

 そこに、鯉のぼり(家庭でいらなくなったものを集めて)が
約30体ばかり集められて、並んで泳いでいます。

 今回の栄句会の季語が<鯉のぼり>だったので、
何度もそこに足を運び句を作りましたが、
真っ青に晴れた皐月の空に勢いよく泳ぐ姿は壮観です。

 そこで一句。

 鯉のぼり群れて酢の倉泳ぎけり
 嬉しさに腹見せ泳ぐ鯉のぼり
 それぞれに風を選びし鯉のぼり

 少し前バスツアーで信州に花桃を見に行ってきました。
そちらでは、旗幟と鯉幟の両方を立てている家が多かったです。
こちらでは、鯉幟だけがほとんどですから、
土地によって違うものだと感心して見ていました(*^_^*)。
行った時が田植えの前で、田に水が入れられて
水鏡のように、家並みを映していたのが印象的でした。

 そこで一句。

 田の水に草葺き屋根と鯉のぼり

 そういえば、鯉のぼりを飾らなくなって何年経ったでしょう。
あの頃は若かったから、今のように枯れていなくて、
小さなことでも悩んで苦しんでいた気がします。
その代わり気力も元気もあったのですが、
精神的には、今の方はず〜〜と楽で楽しいです。
そんな当時のことを考えて一句。

 跡取りを産みて安堵の鯉のぼり
 鯉のぼり初めて親となりし頃
 

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