仔馬
俳句 |
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肩車 されて仔馬を 待つ子かな 驚きて 逃げる仔馬の 速さかな 恐々と 仔馬に触る 童かな 人参は 好きと仔馬に 問ふ童 母馬の 真似して歩く 仔馬かな |
柵の中 生まれ死に行く 仔馬かな 仔馬の目 人の悲しみ 映しけり 仔馬乗り すぐに笑顔の 童かな 喜びて 仔馬しきりに しっぽ振る 子を叱る 親を見ている 仔馬かな |
季語について |
俳句にまつわる話 |
どうして仔馬が春の季語であるのか定かではありませんが、 私は仔馬の若々しさや可愛らしさが、 春という季節にぴったしだと思います。 でも、仔馬で俳句を作るのはなかなか難しく、 なんとか仔馬を直接見たいと思って、 いろいろと考えたあげく、 動物園なら仔馬はいるだろうと思って、 4月5日(土)の日に、東山動植物園に行って来ました。 おりしも桜が満開で、名古屋の花見の名所も 一緒に楽しんでやろうと思って行ってきました。 動物園には子供が小さい頃行ったきりで、 もう20年近くになると思います。 その時は料金が100円だったと思いますが、 今回は500円になっていました。 入り口と途中の休憩所の印象はかすかに残っていましたが、 動物や園内は全く記憶にありませんでした(^^;)。 馬が目的でしたが、たんなる馬はいなくて、 シマウマがいたので、その仔馬を注意深く見ていました。 そこで、一句。 驚きて逃げる仔馬の速さかな 母馬のまねして歩く仔馬かな 喜びて仔馬しきりに尻尾振る 植物園との境目に子供動物園があり、 そこに行けば仔馬がいて それを見る子供がいるはずだから、 きっと俳句の材料もあるだろうと思って行きました。 そこで一句 肩車されて仔馬を待つ子かな 人参は好きと仔馬に問ふ童 恐々と仔馬にさわる童かな 動物園の動物は柵の中で生まれ、 柵の中で老い死んで行きます。 柵の中の狭い世界しか知らないけど、 その方が幸せなのかもしれません。 柵の中生まれ死に行く仔馬かな 仔馬知る内より狭き柵の外 柵の中仔馬の生きる宇宙かな 動物園の動物は観客をどのような目で見ているのでしょうか? ひょっとしたら、見られているのは我々人間の方かもしれません。 子を叱る親を見ている仔馬かな 仔馬の目人の悲しみ映しけり |