春耕

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俳句


耕しを 終へて零るる 笑ひ皺

春耕を 終へて夫の 饒舌に

春耕を 終へて一年 始まりぬ

春耕や 飲めぬと知りて 妻に酒

運転の 真似する孫や 耕耘機

 

耕しや 握りて春を 確かめぬ

春耕や 風の運びし 里神楽

春耕の 鍬に遊ばる 童かな

春耕に 飽きて童の 鬼ごっこ

普通車に 鍬載せ春を 耕しぬ
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 
  春になると、種を蒔いたり、苗を植えるのに適するように
土を鋤きかえし柔らかくすることで、
田打や畑打などを含めた広い意味のことを言います。

 春に耕す。
この耕しは、元来「田返し」の意味で、
今は「たがやす」とも言われています。
そして、本来田のことを言うのですが、今では広く畑にも使われます。

 この季語で俳句を作るために、
実際に農作業をしている様子を見てみたいと、
車でいろいろと回って見ましたが、
一度も耕している姿に遭遇をしませんでした(^^;)。
まだ、耕しの時期には早いのでしょうね。

 3月15日(日)に知多市の佐布里池に
梅を見に行きました。
こちらでは、梅と言えば佐布里池となっています(*^_^*)。
行きたい行きたいと思っていましたが、
なかなか時間が取れなくて、
この日になってしまいました。
もちろん、梅には遅いことは承知の上です。

 それでもなぜ行ったかと言えば、
それは、知多市に行くまでの道のり
(家から車で30分くらい)で、
春耕に出会えるのではという期待からです。

 でも、残念ながらだめでした。
また、梅林も<寒紅梅>という品種が見事だった以外は
全くだめで予想どおりでした。
でも、おかげさまで、梅の時期は大混雑する佐布里池も
のんびりと散策でき、静かな休日が過ごせてことは良かったです(*^_^*)。

 その梅林の隣に、知多市の市民農園があり
そこにサラリーマンの父親が幼い兄弟を連れて
畑の草取りと耕しをしていました。
そこで一番印象的だったのは、幼い子供が
長い鍬をもって、耕しのまねをしている姿で、
遠くから見ていても、何とも可愛いものでした。

 そこで一句。

 春耕の鍬に遊ばる童かな
 春耕に飽きて童の鬼ごっこ
 普通車に鍬載せ春を耕しぬ

 春耕から受けるイメージは、
新年度の始まりです。
農家の人も、これが始まると
また一年が始まり、緊張をすると共に
終わればホッとするのだと思います。
そんな、イメージで一句。

 耕しを終へて零るる笑ひ皺
 春耕を終へて夫の饒舌に
 

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