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俳句


千万の 水瓶枯るる 大旱

天地の 怒り地を割る 大旱

黒壁の 続く酢の倉 夏旱

野積みせし 瓦の街の 旱かな

挨拶の 一雨ほしき 大旱
 

食卓に 妻の愚痴聞く 大旱

減反に 追打ちかけし 大旱

雲見れば 雨をと願ふ 旱かな

影追ふて 飼犬動く 旱かな

夏旱 家電の街の 賑わえり
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


  長い間雨が降らずにカンカラカン天気が続くと、水不足となり
農作物に大きな被害を与えます。
まあ、今年の梅雨は元気ですから、大丈夫ですね(*^_^*)。

 最近は潅漑等も発達し、あまり旱の被害は聞きませんが、
少し前までには定期的にありました。

 東京の水瓶、小河内ダムが枯れたり、
減反に追い打ちをかけるように、米の不作で
外米(タイ米)を食べさせられたことがありました。
タイ米はまずかったですが、
それがかえって、国産米のおいしさを知らせてくれました(*^_^*)。

 今回の句で一番気に入っているのは、
「野積みせし瓦の街の旱かな」です。
カンカラカンの暑さを象徴するものとして
いろいろなものがあると思いますが、
私は屋根瓦を連想しました。
なぜか子供の頃は、夏に屋根の上に登っていました(^^;)。
私の働く碧南市は瓦の産地(三州瓦)です。

 というわけで大きな瓦製造工場の空き地には所狭しと
瓦が野積みさら出荷を待っています。
その光景は暑ぐるしさを一層増していますね(>_<)。

 そこで一句。

 千万の水瓶枯るる大旱
 黒壁の続く酢の倉夏旱
 食卓に妻の愚痴聞く大旱
 

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